精神分裂病
急性期には不眠、中でも入眠障害や中途覚醒、熟眠困難が必発であり、寛解期に至っても同様の不眠が持続することが多いです。
その原因については、精神分裂病の背景にある神経機構の異常、過鎮静による日中の活動性低下、抗精神病薬の悪影響などが想定されていますが、その詳細はいまだ明らかではありません。
精神分裂の診断
精神疾患にみられる一過性不眠は何らかの契機があって生じるものであり、不眠で悩む方への問診により比較的容易に診断がつきます。
持続性不眠の診断には、精神疾患の存在の可能性を念頭に置きながらの詳細な問診が必要です。
その際、背景にある精神疾患の治療が適切であるかどうかも検討し、投与された向精神薬の副作用(アカシジア、ジスキネジア、睡眠時遊行症など)による医原性不眠、未治療ないし治療不十分な身体疾患(甲状腺疾患、血清鉄低下・ビタミンBl2欠乏などによるむずむず脚症候群など)に伴う不眠、ひいては原発性不眠についても考慮しなくてはいけません。必要があれば精神科医に依頼すします。
精神分裂の治療方法
精神疾患による不眠の薬物治療は、一般の不眠症と同様に睡眠障害の型に応じて、入眠障害に対して短時間作用型、中途覚醒や早朝覚醒、熟眠障害に対して中~長時間作用型のベンゾジアゼピン系睡眠薬を用います。
気分障害の不眠や不安障害における強度の不眠には、鎮静作用の強い抗うつ薬、たとえばミアンセリン(テトラミドR)10~60mg、トラソドン(レスリンR)50~150mgなどを就寝前に投与して、不眠の改善を図ることも多いです。
精神分裂病の著しい不眠には、鎮静作用の強いフェノチアジン系抗精神病薬、たとえばレボメプロマジン(ヒルナミン(i))50~200mgなどを就寝前に投与します。
なお、バルビッール酸系睡眠薬や大量のベンゾジアゼピン系睡眠薬が投与されている方では、筋弛緩作用による睡眠中の舌根沈下によって睡眠峙無呼吸が生じやすく、肥満を合併しているとそのリスクはさらに高くなります。
こうした場合には、睡眠薬を減量してフェノチアジン系抗精神病薬に置換するのがよいでしょう。
精神疾患による不眠の体験談
46歳の男性で職場での昇進を契機に、部下の掌握について悩むようになり、不眠(中途覚醒、早朝覚醒)、焦燥感、食欲低下、集中力低下、抑うつ気分が出現してきました。
ひどい不眠が1ヵ月以上続くため、上司の勧めで精神科クリニックを受診。軽症うつ病と診断され、抗うつ薬および睡眠薬の内服を始めたところ、数日で不眠が著明に改善し、食欲も出てきたのです。
抑うつ気分も次第にとれ、治療開始1ヵ月後には職場での意欲、集中力も回復した。それとともに不眠もすっかり消失し、睡眠薬の内服も不要となったが、症状の再燃予防のために少量の抗うつ薬内服を継続しています。
