透析中と不眠
腎不全透析の方には不眠が多いです。 60%以上の透析の方が睡眠薬を服用しています。原因は次のようなものがあります。それぞれの特性に応じた対応を図るべきです。
透析による不均衡症候群の可能性
不均衡症候群とは、透析に伴う急激な循環血漿量の変化や電解質の変化などによって、身体的不調を生じることです。
不均衡症候群では、不眠を来しやすいです。
この場合には、透析夜の方が非透析夜よりも症状が明らかに悪く、透析効率がよくなって安定すると、不眠も改善します。
むずむず脚症候群・周期性四肢運動障害
むずむず脚症候群の下肢のむずむず感を中心とする不快な感覚症状は寝つきを悪くし、周期性四肢運動障害でみられる睡眠中の下肢を主体とした不随意運動は中途覚醒の原因になります。
むずむず脚症候群と周期性四肢運動障害は透析患者に多くみられ、透析中の不眠原因の3以上を占めていると考えられています。これらに対する適切な治療が必要です。
透析による心理的ストレス、精神機能の変化
腎機能の低下に対する不安、透析を続けなければ生きていけないというストレス、長期の旅行に行けないなどの社会的ハンディキャップなどが重なって、心理的な疲弊・うつ状態、不安状態を形成し、これが不眠の原因になっている場合があります。
この場合には、家族・治療スタッフが協力して心理的サポートを図るべきです。
最近では減ったが、透析物質の脳への影響によって生じる脳障害(透析脳症)の初期症状が不眠で始まることもあります。
透析スケジュールによる、生活リズムへの影響
週に数回、長時間透析中に臥床するため、この間に仮眠をとりすぎて生活のリズムがずれてしまう場合も少なくありません。
30分以上の仮眠は、夜間の入眠不良をもたらすことが多いので、避けるべきです。
睡眠時無呼吸症候群
主として代謝性要因によって、呼吸の調節機能が変化し、唾眠中に無呼吸や低呼吸が頻発することがあります。
無呼吸によって中途覚醒が頻回に起こるため、夜間の熟眠不良が生じます。
睡眠薬を投与すると、無呼吸が悪化するので注意が必要です。
